撮影の現場でね、男性が襟をいじりだす瞬間って、だいたい決まってるの。
カメラが構えられて、はい行きます、の直前。
指が第一ボタンにかかって、外して、また留めて。
喉のあたりがぐっと動いて、視線が一瞬だけ床に落ちる。
その動き、しっかり写真に出ちゃうんだよね。写るのは首の太さじゃなくて、隠したがってる気配のほう。
首が太いせいでモテてない男性を、私はまだ見たことがない
数字が落ちるのは太さじゃなく、首の短さ
アカウント運用を三年見てきて、首が太いことが原因で数字が伸びなかった男性、ひとりも思い当たらない。伸び悩んだ人には別の共通点があった。首が短く見えてたの。
太いのと短いの、まるで別物だから。
同じ首回り42センチでも、印象は真っ二つに割れる。顎の下がすっと空いて、肩がストンと落ちてる人は、たくましい側に振れる。頭が前に出て、僧帽筋が耳の下まで盛り上がってる人は、野暮ったい側へ落ちていく。
プロフィール写真を替えただけで、DMの数が三倍になった
柔道を高校までやってた男性のアカウントを見ていたことがある。首回りは45センチくらい。本人はそれをずっと気にしてて、詰まった襟のシャツばかり着てたのよね。
写真を替えた。襟足を刈って、レギュラーカラーのシャツにして、カメラの高さを目線より少し上に。それだけ。
翌週、DMの数が三倍。
ここまで動くとは思ってなかったよ…
そのあと本人に聞かれたの。写真、何がそんなに違ったんですかって。
答えは単純だった。前の写真は、首を隠したい人の写真。新しいほうは、首がある人の写真。それだけ。
女性が首の厚みに反応する理由
安心の記号として、一瞬で処理されている
体格から受ける印象を測る研究は、心理学の分野でずっと続いてる。上半身の厚みや首まわりのボリュームは、身を守れる相手かどうかの手がかりとして処理されやすい、という話ね。恋愛感情の中身というより、警戒を解くかどうかの入口の判断。
打ち合わせのあと、スタッフの女性たちとこの話になったの。みんな口を揃えて言ってたわ。細い人と歩くより、首の厚い人と歩くほうが夜道が怖くない、って。
理屈じゃないよね、あれ。
安心が威圧に転ぶ、たった一本の線
厚みは安心にも威圧にも転ぶ。分けてるのは、表情の緩さと、声の高さと、距離の詰め方。
首が太くて笑わない人は、怖い側へ一直線。首が太くてよく笑う人は、私は無敵だと思ってる。強そうな見た目から出てくる柔らかい声、あれに勝てる装備そうそうないから。
投稿の反応も同じ傾向が出るんだよね。笑ってる写真とキメ顔を並べてテストすると、体格のある男性は笑ってる側の保存数がはっきり上に来る。細身の男性だと、この差そこまで出ないの。
細身が流行っていても、厚みは別枠で効く
いまSNSで褒められてる男性の体型って、線が細くて中性的な方向に寄ってるよね。それを眺めて、自分は時代に合ってないと思い込んでる人がすごく多い。
流行ってるものと、選ばれるものは別なのよ。かっこいいと言われる体型と、隣に立ちたいと思われる体型は、驚くくらい一致しないから。
数字を見てるとそれがはっきり出る。細身の男性は、いいねが伸びる。厚みのある男性は、保存とDMが伸びるの。
どっちが恋愛に近い数字かは、言うまでもないでしょ。
女性の本音は、コメント欄に落ちている
首太いと書き込まれるコメント、ほぼ全部が褒め言葉
体格のある男性の投稿にどんな言葉がつくか、数えたことがある。首や肩の厚みに触れたコメントのうち、否定的なものは一割もなかった。残りは、守られてる感じがするとか、腕の太さが好きとか、そういう温度のやつ。
引っかかったのは、太さそのものを名指しする書き込みが少なかったこと。みんな別の言葉に置き換えるのよね。安心する、頼れそう、包容力ありそう。全部、厚みへの反応を翻訳した言い方なの。
逆に刺さっていたのは、この一言
否定的なコメントで一番多かったのは、太さの話じゃなかったのよ。姿勢が悪い、という指摘。それと、首が詰まってて苦しそう、という書き込み。
はぁ…って声出たわ。見られてるの、そこなんだよね。
体のサイズは責められてない。体の使い方のほうが責められてる。
損をしている首の見分け方
太さの中身は四種類ある
骨格でもともと首が短い人。変えられない。変えられないけど、実はいちばんおいしいのよ。首の付け根が太い骨格って、ジャケットを羽織った瞬間にシルエットが決まるから。
筋肉タイプは、僧帽筋の上が育ちすぎて首が肩に埋もれてるパターン。ジム歴が長い人ほどここで詰む。頑張った結果、首が消えてるっていう(泣)
脂肪タイプは、顎の下がたるんで顔と首の境目が溶けてる状態。輪郭が読めなくなると、太さより先に生活のだらしなさのほうが伝わっちゃう。
いちばん多いのが姿勢タイプ。デスクワークで頭が前に出て、首の後ろが詰まってるだけ。太ってすらいないのに、太くて短い首に見えてる人が本当に多い。
壁とスマホだけでできる自己判定
壁に背中とかかとをつけて立つ。後頭部が壁に届かなければ姿勢タイプで確定ね。
もうひとつ、横向きに写真を撮って、耳の穴が肩の真上より前に出てるかを見る。前に出てたら同じく姿勢タイプ。この判定、撮影前には必ずやってもらってる。ここを直さないまま撮っても、あとから加工でどうにかできる話じゃないから。
僧帽筋を二週間だけ休ませてみる
筋肉タイプの男性に一度だけ言ったことがある。シュラッグとアップライトロウを二週間やめてみて、って。肩をすくめる動きの種目ね。
戻ってきた写真、首がちゃんとあったのよ。
筋肉が落ちたわけじゃない。パンプが引いて、僧帽筋の頂点が下がっただけ。首が短く見えてた犯人が、鍛えすぎた肩の山だったってこと。
育てるなら肩の真横と背中の広がり。ここに厚みが出ると、相対的に首は細く見える。上に盛るんじゃなくて、横に広げる。方向をひとつ変えるだけで景色が変わるよ。
シャツの襟で、印象の八割が決まる
選ぶべき襟型と、避けたい襟型
ホリゾンタルカラーとワイドカラーは避けて。襟の開きが横に広いと、顔と首の横幅がそのまま強調される。首が太い人が選ぶのはレギュラーカラーかセミワイド。縦のラインが残るのが効くの。
Vネックもかなり使える。深すぎると胸元が寂しく見えて裏目に出るから、鎖骨が半分見えるあたりで止めるのが正解。
タートルネックは、はっきり鬼門。首と顔が一本の筒になるからね。この点だけは絶対に守ってほしい。どうしても着たいなら、立ち上がりの浅いモックネックまで。
台襟の高さと、首まわりの余裕
見落とされがちなのが台襟の高さ。襟の立ち上がりが高いシャツは顎を押し上げて、首を潰しちゃう。低めを探すこと。試着室で顎を引いてみて、肉が乗るなら不合格!
サイズは、首まわりに指二本がすっと入るくらい。きついと段ができるし、ゆるすぎるとだらしなさのほうが勝つ。
色でひとつ。首元に明るい色を持ってくると膨張して見えるから、襟元は暗めにして外側を明るく。縦の線が立ち上がってくるよ。
スーツと髪型で、輪郭を作り直す
ラペル幅、肩のライン、結び目
ラペルは細身より広めを選ぶ。肩幅とのバランスが取れて、首が相対的に細く見える。細ラペルだと首の太さだけが浮いちゃうのよね。
肩パッドは薄いものを。厚みがあると首が肩に沈んで、頭だけ乗ってるみたいになる。
ネクタイはプレーンノットかセミウィンザー。ウィンザーノットは結び目が横に広がるから、首の太さと真正面からぶつかる。ここ変えるだけで写真写りが変わるよ。
襟足を刈る。これがいちばん効く
襟足を刈り上げる。それだけで首が二センチは長く見える。逆に襟足を残すと、髪と首の境界が消えて、頭から肩までが一つの塊になっちゃうの。
トップには高さを出して。縦への視線移動が生まれて、横幅の印象がふっと薄まる。
サイドを刈り上げすぎるのは危険。極端なツーブロックにすると、頭が小さくて首が太いというアンバランスが露骨に出るから。前髪を重く下ろすのも同じ理由でやめたほうがいい。顔が四角く見えて、全体がゴツくなる。
髭は顎のラインに沿って整えると、顔と首の境目が復活する。顎下だけは必ず剃ること。
美容室で伝える言葉を決めておく
オーダーが曖昧だと、だいたい前回と同じ髪型で帰ってくる。伝えるのは二つだけでいい。襟足を刈り上げて首を出したい。トップに高さがほしい。この二つを渡せば、あとは向こうが組み立ててくれる。
首が太いんですけど、から入るのはもったいないの。悩みを渡すんじゃなくて、完成形を渡す。運用を見てた男性がこれを言えるようになってから、仕上がりのブレがぴたっと止まった。
写真とSNSで、首を武器に変える
レンズは首を二割太く写す
スマホの内カメで近くから撮ると、顔と首の距離が縮まって輪郭が横に広がる。自撮りを見て落ち込んでる人、あれ実物じゃないからね。
カメラは目線より少し上。顎を軽く引いて、顎先を五センチだけ前に出す。首の前側が伸びて、顎と首の境界が浮かんでくる。
距離は一メートル半以上あけたいところ。人に頼めないなら三脚とタイマーでいい。この差、加工では埋まらないの。
反応が伸びたのはこの撮り方
体を斜め四十五度に振って、顔だけカメラに向ける。真正面は肩幅と首幅が最大に写るから避けたい。
背景は無地より、縦のラインがあるほうがいいよ。柱でも本棚でもドアの枠でも。縦線が入ると視線が上下に動いて、横幅の印象が薄れる。
一枚は必ず全身を入れて。首から上だけだと太さの情報しか届かないけど、全身が入った瞬間、首は上半身のバランスの一部に変わる。伸びてるアカウント、だいたいこれやってるの。
加工でやると一発でバレること
輪郭を細くする加工、首だけ不自然に痩せるからすぐ分かるのよ。背景の柱が曲がってたら、もう終わり。実際に会ったときのギャップのほうが、ダメージとしては何倍も大きいしね。
太さを消す方向の加工は、ぜんぶ裏目に出る。触るなら明るさと影だけにして。顎の下に軽く影が入ると境界がはっきりして、首がすっと長く見えるから。加工より照明のほうが仕事するの。
隠していた時期が、いちばんもったいない
今週中に変えられるのは姿勢と襟足だけ
骨格は変わらない。筋肉も脂肪も、動かすには何ヶ月かかかる。
でも姿勢と襟足と襟型は、今週中に変えられる。しかも効き目はこの三つが最大だと確信してる。
細く見せようとして選んだ服が、そのまま失敗の原因になってる人が多すぎるのよ。詰まった襟、重い前髪、残した襟足。全部、首を消そうとした結果。
やることは逆。細くするんじゃなくて、出す。
さっきの柔道の彼、写真を替えて半年後に彼女ができた。報告のDM、絵文字だらけで来たわ(笑)
顎を上げた瞬間に、全部ひっくり返る
撮影中にディレクションを一つだけ変えることがある。顎を引いてください、じゃなくて、天井の隅を見てください、って言うの。
首の前側が伸びて、喉から鎖骨までの線が出る。それだけで別人。
本人は何をされたのか分かってないまま、モニターを見て黙り込む。あの数秒の顔、何度見ても飽きないのよね。
隠すのをやめた瞬間の顔って、写真の中でいちばん強い。首の太さがどうこうより、その一点のほうがずっと人を動かすと私は思ってる。
読まれているのは体じゃなく、扱い方
首の太さは、女性の減点表に載ってない。載ってるのは、その人が自分の体をどう扱ってるかというほう。
襟を引っぱる指。床に落ちる視線。丸まった背中。
見られてるのは、そっちなの。
首が太いのに気づかれたくないという顔で立ってる人と、太いまま背筋を伸ばして立ってる人。同じ体で、まるで別人になる。
撮影のとき、彼が初めて顎を上げた瞬間の空気、まだ覚えてる。ざわっとしたもん、スタッフ全員。

コメント