いい人なんだけど、顔がね…。
撮影の待ち時間、美容系で人気の彼女がため息まじりにこぼした一言でした。
メイクルームの空気が一瞬止まる。
居合わせたスタッフは全員、苦笑いでうなずいていたんですよね。
顔で選んでしまう自分が嫌。
かといって、ときめかない相手と並んで歩く未来も思い描けない。
面食いと恋愛をセットで検索する夜は、きっとその板挟みのど真ん中。
SNSコンサルで人気インフルエンサーの発信を裏側から支えてきました。
見た目が人の心を動かす瞬間を、毎日のように見る仕事。
その現場には、恋愛の教科書に載っていない答えがごろごろ転がっていたんです。
面食いとは?恋愛で顔を優先する人の特徴と心理
面食いの意味と、ただの好みとの境目
面食いは、恋の始まりで相手の顔立ちを何より優先する人のこと。
好みの顔くらい、誰にだってあります。
境目になるのは、合格ラインに届かない相手を、話す前に候補から外すかどうか。
中身を知るチャンスごと、扉を閉めてしまう。
ただの好みと面食いを分けるのは、この一点です。
面食い診断。日常ににじみ出る五つのサイン
マッチングアプリでは、写真を見た瞬間に指が動く。
紹介の話が来たら、まず写真を送ってもらう。
好きなタイプを聞かれて、最初に口から出るのが顔の系統。
ここまでで、うっ…となった人。
こっそり手を挙げてほしい(笑)
残りは二つ。
付き合った理由を聞かれても、顔しか思い出せない。
恋人の写真を友達に見せる瞬間が、デート本番より楽しかったりする。
三つ当てはまったら、立派な面食い仲間。
ようこそ。
顔で選んでしまう心理の正体
見た目が整った人は、性格も仕事ぶりも良さそうに映ります。
心理学でハロー効果と呼ばれる現象で、顔がいいと中身の採点まで甘くなる。
隣に並ぶ人の見た目で、自分の値打ちを確かめたくなる気持ちも絡んでいます。
友達の「えっ、かっこいい!」がご褒美になってしまうんだよね。
もう一つ、見えないものを信じるのが怖いという本音。
性格は付き合ってみないとわからないけれど、顔は今この瞬間に確かめられる。
裏切られた経験がある人ほど、目に見える確かさへ寄りかかりたくなるんです。
私が特に大きいと見ているのは、毎日スマホで浴びている顔の量です。
フィルターと照明とレタッチで仕上げた顔を、誰もが一日に何百枚も眺めている。
作る側にいるから断言します。
あれは、光と角度と編集の合作。
同じ顔で街を歩いている人には、まず出会えません。
基準だけがするすると上がって、目の前の人が物足りなく映ってしまう。
面食いは性格の問題というより、目が贅沢に育った結果。
面食いは悪いことじゃない。顔に惹かれる自分を責めないで
見た目から入るのは、性格の悪さではなく人の初期反応
顔で選ぶ自分は、浅い人間なんじゃないか。
そうやって自分を責める声を、撮影の合間に何人ぶんも聞いてきました。
責める必要なんて、どこにもない。
SNSの世界では、サムネイル一枚で見るか閉じるかが決まります。
どれだけ中身の濃い動画でも、最初の一枚が弱ければ再生されない。
残酷だけど、これが現実。
恋愛も同じで、人は中身にたどり着く前に、外見という玄関を必ず通ります。
その玄関で立ち止まる時間が、人より少し長い。
面食いって、それだけの話なんですよ。
顔なんて関係ないと言い切る人のほうを、私はあまり信用していません。
自分の目が何に反応しているのか、認めている人がよっぽど誠実。
面食いで得すること、損すること
好きの基準がはっきりしているから、誰を追いかけるかで迷いません。
相手の顔を見るだけで機嫌が直るので、小さなケンカを引きずりにくい。
隣に立つ自分も磨こうとして、身だしなみの水準が勝手に上がる。
ここまでが得する話。
損する話は、なかなかしんどいです。
候補になる人数が、一気に減る。
顔が整った人にはライバルが群がるから、追いかける恋ばかりで心がすり減っていきます。
見た目の点数が高いぶん中身への期待までふくらんで、ギャップで幻滅しやすい。
何より痛い損は別にあります。
あなたを大切にしてくれたはずの人が、写真一枚で視界から消えている。
不幸になる面食いと幸せになる面食いの分かれ道
恥ずかしい話をひとつ。
二十代の頃、息をのむほどきれいな顔の人と付き合っていました。
ツーショットを待ち受けにして、聞かれてもいないのに友達へ見せびらかす日々。
ダサい。
今思い出しても顔から火が出そう。
カフェで向かい合っても、相手はずっとスマホ。
私はその横顔を眺めながら、心の中でぶつぶつ唱えていた。
(顔はいい。顔はいいんだけどさ…これ、恋愛じゃなくて鑑賞では?)
別れたあとで気づいたのは、その人の好きな食べ物すら知らなかったこと。
はぁ…。
あの時の私は、顔をゴールにしていたんです。
幸せになっている面食いは、顔を入場券として使っています。
入場したら、ちゃんと中を見て回る。
チケットを握りしめたまま、入口で記念撮影だけして帰る。
それが昔の私でした(泣)
面食いが治らない人へ。治し方より、好きになれる顔を広げる
無理に治そうとすると、誰かが傷つく
冒頭の彼女は一度、顔を諦めたことがあるそうです。
優しくて、マメで、条件は申し分ない相手。
「三か月、ずっと罪悪感でした。手をつなぐたびに、心の中でごめんって言ってた」
気持ちは相手にも伝わっていて、結局、向こうから別れを切り出されたと聞きました。
ときめきのない交際は、自分だけでなく相手の時間まで奪ってしまう。
だから私は、面食いを根性で治す方法をすすめません。
治すのではなく、合格ラインの幅を広げる。
現実的なのは、断然こっち。
顔の正体は造形じゃない。表情と清潔感と空気
撮影現場にいると、同じ人が別人に変わる瞬間をしょっちゅう目にします。
眉を整え、前髪の分け目を変え、肌のトーンをそろえて背筋を伸ばす。
骨格は一ミリも動いていないのに、画面の中の印象はがらりと変わるんです。
面食いの目が反応しているのは、生まれつきのパーツより、整って見える状態のほう。
数えきれない撮影に立ち会ってきた、私の実感です。
ということは、好きになれる顔はまだ増やせる。
笑った時の目尻、食べ方、考えごとをしている時の伏せた目。
静止画に写らない場所に、ときめきの種は落ちています。
好きになれる人を増やす三つの習慣
一つ目は、どうしても無理な相手と、ただタイプじゃない相手を、分けて言葉にすること。
生理的に受けつけない相手は、何回会っても変わりません。
そこは譲らなくていい。
タイプじゃない程度の相手なら、会うたびに印象が動きます。
二つをごちゃ混ぜにして全員切っているなら、もったいなさすぎる!
二つ目は、写真で判断せずに三回会うこと。
写真映えしない人ほど、動くと魅力的。
これ、カメラの後ろに立つ人間のあるあるです。
声、しぐさ、笑うタイミング。
動いている姿でしか伝わらない情報が、好きの決め手になった場面を何度も見てきました。
三つ目は、顔以外で譲れない条件を三つ、先に決めておくこと。
顔の点数に目がくらんだ時、ブレーキを踏んでくれます。
あの彼女が今付き合っている人は、写真だとびっくりするくらい普通らしい。
「でも、笑うと目がなくなるんです。動いてる彼がいちばんかっこいい」
そう話す本人の顔がいちばん緩んでいて、メイクさんと二人でにやにやしてしまいました。
それでも顔だけは譲れない人の戦い方
三つ試しても、やっぱり顔は譲れない。
それならそれで、腹をくくればいいんです。
顔の条件を守るかわりに、年収や身長や住んでいる場所のこだわりを手放す。
全部の条件で高得点の人は、芸能の世界でもそうそう見かけません。
見た目のいい相手の周りは、いつも混み合っています。
自分の身だしなみと会話の引き出しを、先に増やしておく。
あとは出会いの数を稼ぐだけ。
妥協して誰かを傷つけるより、面食いを貫いて努力する人のほうが、私は好きです。
好きな人が面食いだった時の落とし方と、男女それぞれの本音
面食いな男性の本音、面食いな女性の本音
面食いな男性は、第一印象での足切りがとにかく早い。
ただ、彼らの言う可愛いは、パーツの出来だけを指していません。
雑談で掘っていくと、出てくるのは髪のツヤ、肌、笑顔、服の雰囲気。
好みの系統に入っていて清潔感があれば合格、という人がほとんどでした。
面食いな女性は、もっと総合点で見ています。
眉、髪型、服のサイズ感、姿勢、爪。
顔まわりの仕上がり全部をひっくるめて、顔と呼んでいる。
イケメン好きを公言する女性スタッフに理想を聞くと、返ってきたのは清潔感の話ばかり。
造形の話はどこへ行ったの、と拍子抜けしました(笑)
顔に自信がなくても選ばれた、あるスタッフの三か月
チームに、面食いで有名な女性を好きになった男性スタッフがいました。
相談された瞬間、正直言って厳しいかも…と頭をよぎったんです。
(ごめん、マジで)
彼がやったことは、地味そのもの。
眉サロンに通い、美容院を変えた。
ワンサイズ大きかったシャツは、体に合うものへ買い替え。
それから、撮られる時の表情の練習。
インカメラで笑顔を動画に撮り、目まで笑っている瞬間を探します。
インフルエンサーが裏で黙々と続けている作業を、そのまま真似してもらいました。
SNSのアイコンも撮り直し。
窓際の自然光で、同僚に撮ってもらった笑顔の一枚に差し替えました。
自撮りの決め顔は、面食いの人ほど見抜きます。
加工の気配に、目が肥えているから。
三か月後、彼女から食事に誘われたと報告が来た。
突然すぎて、私は変な声が出ました。
面食いの人は、入口が狭いだけ。
そこを通過すれば、先は会話と気づかいの勝負になります。
しかも一度中に入れた相手には、意外と一途なんだよね。
彼氏や彼女が面食いで不安になる夜に
顔だけで選ばれたのかな。
年を重ねたら、捨てられるのかな。
そんな考えが頭をぐるぐる回る夜、ありますよね。
きっかけが顔だったことは、あなたの価値を少しも下げません。
関係が続いている理由は、とっくに別の場所へ移っています。
あなたの話を覚えているか。
体調の変化に気づくか。
確かめるなら、そこ。
正直なところ、この点だけは絶対に気をつけてほしいです。
人前であなたの容姿に点数をつけたり、誰かと見比べたりする人。
あなたの話になると、急にスマホを触り出す人もそう。
その人が愛しているのは、あなたではなく、あなたを連れている自分。
離れて大丈夫です。
面食いこそモテる。見た目に敏感な人だけが持つ武器
見る目が厳しい人は、自分を磨く精度も高い
面食いの人は、他人の顔のどこに惹かれたかを細かく説明できます。
あの人は横顔の鼻筋、この人は口角の上がり方、という具合に。
この観察眼、自分に向けた瞬間に武器へ変わる。
一緒に仕事をしてきた人気の発信者には、筋金入りの面食いが何人もいました。
惹かれる顔の共通点を書き出して、髪色やメイクや表情に移し替える。
その人たちがやっているのは、それだけ。
好きな顔を三人分並べて、重なる部分を三つ拾う。
その中から、自分に取り入れられるものを一つ選ぶ。
私はこの方法がベストだと確信しています。
面食いを公言すると、モテが逃げていく
顔がタイプじゃないと無理。
食事の席でこう口にした瞬間、あなたを気にしていた誰かが、そっと身を引いています。
自分なんか対象外だ、と早合点して。
面食いは隠さなくていいけれど、言い方は変えたほうが得。
笑顔のいい人に弱い、と言い換えてみる。
同じ中身でも、聞いた側が自分も頑張ってみようと動ける言葉になります。
発信の世界でも、これは変わらない。
人を切る言葉は届かず、背中を押す言葉だけが広がっていきます。
顔を褒めるのをやめた途端、風向きが変わる
面食いさんがやりがちな失敗が、好きな相手の顔ばかり褒めること。
顔のいい人は、顔を褒められ慣れています。
響かない。
ある男性インフルエンサーが、打ち上げの帰り道にこんな話をしていました。
「かっこいいですねは聞き流してる。でも、今日ちょっと寝不足でしょって言われた時は、ドキッとした」
見た目に敏感な目は、相手の小さな変化まで見逃しません。
髪を切った。
いつもと違う色の服。
少し疲れた目元。
顔の出来ではなく、今日のその人を見る。
見る力を、気づかう力に持ち替えた面食いは、見違えるようにモテ始めますよ。

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