撮影の合間、スタジオの隅で女性スタッフがぽつりと漏らしました。
彼氏を褒めると、当たり前でしょって返されるんです、と。
小さく息を吐いて、缶コーヒーを握りしめていた横顔。
(あ、これ二十代の私だ)
胸の奥がズキッとしました。
SNSコンサルで人気インフルエンサーと顔を合わせるのが、ほぼ毎日の仕事で自信のある人を見る目だけは、人より肥えている自覚があります。
その目で眺めてきた自信過剰な人の恋愛は、笑ってしまうほど同じ場所でつまずくんですよね。
自信過剰な恋人にくたびれている人も、自信過剰だと言われて凹んでいる人も、見るべき場所は一緒です。
自信過剰な人の特徴は、恋愛だと最初の三秒で出る
褒めた直後の反応を見て
自信過剰な人を見抜くのに、長い付き合いは要りません。
褒めたあとの三秒で十分。
本物の自信を持つ人は、ありがとうと言って、それで終わり。
自信過剰な人は、当たり前とか、そりゃそうでしょとか、褒め言葉を受け取らずに上乗せしてきます。
受け取ってよ!こっちは勇気を出して言ったのに
冒頭のスタッフの彼氏は、まさにこのタイプでした。
もっと厄介なのは、褒めてほしがるくせに褒めると否定すること。
足りないと不機嫌になり、褒めれば当然だと流す。
どっちに転んでも、減っていくのはこちらの気持ちだけ。
SNSのコメント欄でも同じで、称賛には無反応、批判には即レス。
褒めより否定に敏感な人ほど、自信の芯が細いんです。
自慢話の時制に耳を澄ませて
インフルエンサーを何百人と見てきて、気づいたことがあります。
長く愛される人は、今やっていることを現在形で語る。
自信過剰な人からは、過去の武勇伝と、いつか俺はという未来形しか出てきません。
デートの会話を思い出してみてください。
五年前の成功と、まだ始めてもいない計画ばかり。
心当たり、ありますよね。
現在形が抜け落ちている人は、今の自分に自信がない。
ここは断言します。
現在形で話せる人は、今日の小さな失敗も一緒に出てくる。
だから話に湿度があって、聞いていて飽きないんですよね。
あなたの友達や仕事を、さらっと下げる
スタッフの話には続きがありました。
親友に会わせた帰りの電車で、彼が口にしたのは、あの子ちょっと浅くない?の一言。
そこから彼女の職場、趣味、読んでいる本まで、順番に採点が始まったそうです。
見下しは、自信過剰な人にとって呼吸のようなもの。
誰かを一段下げないと、自分の立ち位置がぐらぐら揺れてしまうから。
そして謝らない。
店も日程も記念日の過ごし方も、気づけば全部あの人基準。
指摘すると、謝罪の代わりに理屈が返ってくる。
正直なところ、この理屈が返ってくる瞬間だけは絶対に見逃さないでほしいです。
なぜそうなる?自信過剰な人の心理
ガラスの棚に飾られた自信
自信過剰な人の自信は、薄いガラスの棚に置かれた花瓶に似ています。
遠くから見れば立派。
近づいて少し触れただけで、棚ごと割れそうな音がする。
触らせたくない。
弱みを隠し、否定されそうな相手からは距離を取り、笑われることを何より嫌がる。
根っこにあるのは、誰かに認めてほしいという飢えです。
自慢話もマウントも、その飢えを一時しのぎする非常食にすぎません。
意外と本人は気づいていなくて、周りが逆効果だと感じていることすら見えていない。
育ちを聞くと、二つの家庭に分かれます。
褒められすぎて失敗を経験できなかった家か、何をしても認めてもらえなかった家か。
入口は正反対なのに、出口の飢えは同じ形をしている。
フォロワー数と恋愛は、同じ罠にはまる
この仕事をしていると、数字が人をどう変えるかを嫌というほど見ます。
フォロワーが増えたら態度がぷかっと浮く人がいる。
数字という外側の支えで立った自信は、数字が落ちた日に足元から抜けます。
恋愛も同じ。
モテた回数、元恋人のスペック、周りからの評価。
外側の材料で積み上げた自信は、恋人の一言で簡単にひびが入る。
そこから漏れた不安を、すぐ隣にいる恋人にぶつけてしまうんですよね。
昔の私、完全にこれでした(泣)
本物の自信と自信過剰の違いは、三つの場面でわかる
誰かを下げずに立っていられるか
本物の自信がある人は、他人の評価を借りずに自分の位置を決められます。
友達を採点しないし、店員さんにも横柄にならない。
一緒にいると、こちらの背筋まで自然と伸びる感覚。
自信過剰な人と過ごしたあとは、なぜか自分が小さくなった気がする。
帰り道の気分が、いちばん正直な判定員です。
失敗を自分から笑って話せるか
モテるインフルエンサーの共通点を一つだけ挙げるなら、失敗談をケラケラ話せること。
これに尽きます!
自虐ではなく、ただの事実として。
炎上しかけた話も、企画がすべった話も、隠さない。
自信過剰な人は失敗を語れません。
語った瞬間に、あの棚が音を立てるから。
デートで一度も失敗談が出てこない相手は、少し警戒していい。
あなたを対等に扱っているか
上から教えてあげる態度か、あなたに質問してくるか。
本物の自信がある人は、相手の話を聞いても自分の値打ちが減らないと知っています。
自信過剰な人は、聞く時間を負けだと感じている。
あなたの話は途中で、相手の話に上書きされる。
会話のボールが返ってこない恋愛は、三カ月も続ければもうお腹いっぱいです。
自信過剰な男と女で、出方はこう違う
私が見てきた範囲の話で、当然逆のパターンもいます。
それでも傾向は、くっきり分かれていました。
共通しているのは、相手の交友関係を狭めたがるところ。
自信過剰な男の特徴
武勇伝と年収と、人脈の名前が並びます。
頼られたがるのに、自分からは絶対に頼らない。
頼ってきた相手を、自分を持ち上げてくれる存在として囲い込みたいからです。
彼女の友達や職場を下げ、彼女の世界を自分だけで埋めたがる。
ある男性インフルエンサーは、彼女の親友を全員嫌いだと断じていました。
それ、彼女を孤立させてるだけじゃん…
結局その彼女は半年で離れ、彼は今もその理由がわかっていません。
自信過剰な女の特徴
モテてきた話と、私を選べたあなたは幸運という空気。
同性を下げるときの物差しは、容姿かセンス。
彼を教育したがり、服も友達も言葉遣いも直そうとします。
SNSでは匂わせ投稿を武器に、彼氏を持ち物のように見せる人も。
ロケバスの中で、ある女性インフルエンサーが彼氏を私の作品と呼んでいました。
一瞬しんと静まった車内。
その関係も、彼が自分の意見を持ち始めた途端に終わりました。
自信過剰な恋人との付き合い方と、別れを考えるサイン
張り合わず、境界線だけ先に引く
自慢に自慢で返すと、相手の競争にこちらまで参加することになります。
褒めどころは一つに絞って、あとは聞き流す。
自分の予定を先にカレンダーへ入れ、相手の都合で動かさない。
これだけで、消耗のスピードがはっきり落ちます。
相手を変える作業ではなく、自分のペースを取り戻す作業。
どうしても伝えたいなら、一回だけ。
あなたはいつも、ではなく、私はさっきの一言で悲しかった、と主語を自分に置く。
それで態度が変わらないなら、伝える回数を増やしても結果は同じ。
別れを考えるべき三つのサイン
一つ目は、あなたの自己肯定感が、付き合う前より下がっていること。
二つ目、付き合ってから一度も謝罪と改善がない。
三つ目は、罪悪感を植え付けられたり、友達から引き離されたりしている場合。
三つ目に当てはまるなら、それはもう自信過剰ではなくモラハラの入口です。
重いため息が出た人、その感覚を信じて。
好きだから耐えるという選び方は、あなたの毎日から光をじわじわ吸い取っていきます。
迷ったら、三つのうち二つ当てはまった時点で離れていい。
私はこの基準が後悔をもっとも少なくすると確信しています。
自信過剰な人の末路【恋愛編】
数字が落ちた日に、隣に誰もいない
四年ほど前、勢いのあった男性インフルエンサーがいました。
恋人が三人入れ替わる間、彼は一度も謝らなかった。
別れるたびに、あいつが理解できなかっただけと決めつける。
そのうち突然フォロワーの伸びが止まり、案件も減った。
あの時、彼のスマホには誰からの連絡も入っていなかったそうです。
自信過剰な人の末路は、劇的な破滅ではなく、静かな空席。
周りが一人ずつ、音もなく席を立っていく。
浮気の末に孤独になる人も、年齢を重ねてから相手が見つからなくなる人も、たどる道は一本です。
自分を大きく見せるほど、本音で寄ってくる人が減る。
恋愛ではこの一点が、まさかと思うほど残酷に効きます。
年齢を重ねるほど堪えるのは、周りが大人になって張り合ってくれなくなるから。
相手にされない静けさは、批判されるよりずっと痛い。
変われた人の共通点
ただ、彼はその後に変わりました。
きっかけは、元恋人と偶然再会して、今の相手は話を最後まで聞いてくれる人だと言われたこと。
ぐさっと来た、と照れながら教えてくれたんですよ。
そこから彼は、褒められたらありがとうだけを返し、人の話には質問で返すようになった。
一年後、彼は落ち着いた恋人と暮らしていて、フォロワーも静かに戻っています。
変われる人と変われない人の差は、指摘された瞬間に一秒でも黙れるかどうか。
反論が先に出る人は、まだ変わる準備ができていません。
自信過剰と言われた人へ。恋愛がうまくいかない理由と直し方
振られるのは、スペックが足りないからじゃない
二十代の私は、デートでフォロワー数の話をしていました。
自分が仕掛けた企画の数字、担当した人の知名度。
恥ずかしいけれど、それが魅力だと本気で信じていたんです(笑)
三回目のデートで言われた言葉は、今も忘れられません。
今日、私の話が一回も出てこなかったね、と。
え、聞いてたつもりだったんだけど…
自信過剰な人が振られる理由は、スペックの不足ではなく、相手の話を聞いていないこと。
どれだけ語っても、相手の中にあなたが残らないんですよね。
自慢を質問に変える。聞く比率は七割
直し方は、正直言ってこれ一つで八割片づきます。
自分の話をしたくなったら、その中身を相手への質問に変える。
最近こんな成果が出た、を、最近うれしかったことある?に置き換えるだけ。
話すのが三、聞くのが七。
最初はむずむずします。
二週間続けると、相手の表情が変わるのがわかるはず。
聞いてくれる人は、それだけで珍しくてモテるんです。
デートのあとに、質問の数を数える
帰り道に、今日自分が相手へ投げた質問の数を指で数えてみてください。
三つ以下なら、まだ自慢モードのまま。
私は今もこの数え方を続けていて、五つを切った日は一人反省会。
数字で見ると、自分がどれだけ話したがりかがはっきり見えて、ちょっと落ち込みます。
でもその落ち込みが、次のデートで相手の話を引き出す力に変わるんですよ。
褒められたら、ありがとうだけ返す
上乗せも謙遜も、いらない。
ありがとう、で止める。
謙遜しすぎるのも、実は自信過剰の裏返しだったりします。
評価されたい気持ちが強いから、否定してもう一度褒めさせようとする。
一言で受け取れる人の周りには、褒め言葉を言いやすい空気が育ちます。
モテるとは、この空気を持っているかどうかだと言い切っていい。
成果ではなく過程を話し、謝りは先に短く
話すなら、結果ではなく途中でつまずいた話。
失敗を語れる人が魅力的に映る理由は、さっき書いた通りです。
謝るときは、理屈の前に、ごめんの一言を先に出す。
理由はそのあとでいい。
この順番を逆にするだけで、恋人の顔から力が抜けますよ。

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