なぜあの美人は、冴えない男を選ぶのか
渋谷のカフェだった。
向かいに座ったインフルエンサーの女の子が、スマホをくるっと回して画面を見せてくる。
「これ、私の彼」
正直、固まった。
モデル級に整った顔の彼女の隣で笑っているのは、髪はボサッと、シャツもよれた、どこにでもいる男性…なのに。
彼女の目尻が、その写真を見た瞬間だけ、ふっとゆるんだ。
あの表情を作れる男が、世の中にどれだけいるだろう。
街を歩けば、ときどき出会う組み合わせがある。
誰がどう見ても美人な女性と、失礼ながら容姿は平均以下に見える男性。
すれ違いざまに「なんで?」と心の中でつぶやいた経験、あなたにもあるはず。
で、ここが面白いところなんだけど。
その疑問を一番強く抱えているのは、実は当の本人だったりする。
美人は、顔の次にどこを見ているのか
長年いろんな発信者やうちのスタッフと恋愛の話をしてきて、ひとつ確信していることがある。
顔が恋愛のスタートを決めることはある。
でも、続くかどうかを決めているのは、まったく別の場所だ。
一緒にいて、息が浅くならない
女性タレントの口から出た言葉が忘れられない。
ハイスペックな男ばかりと付き合っていた時期、彼女はいつも喉の奥が詰まる感覚があったらしい。
デート前夜、何を着るかで二時間。
LINEの返信を三回書き直す。
「会うたびに、面接を受けてる気分だったの」
今の彼の前では、すっぴんで床に転がってポテチを食べられる。
胸のあたりが、ずっとあたたかいんだそうだ。
緊張しない相手。
これ、地味に聞こえて、恋愛の核心をついている。
人は、自分が自分でいられる場所に帰りたくなる生き物だから。
大事にされている、と肌で分かる
顔のいい男に雑に扱われた経験。
モテる男は、その自覚があるぶん、女性を一人に絞らない傾向がどうしてもある。
連絡が遅い。
予定はいつも向こう都合。
そういう小さな引っかきキズが、じわっと積もっていく。
そこに、自分だけをまっすぐ見てくれる男が現れたら?
誕生日を一ヶ月前から覚えていて、体調を崩したと言えば仕事帰りにゼリーを買ってくる。
派手じゃない。
でも、その安心感はイケメンの笑顔より深く刺さる。
うちのスタッフの一人が、まさにそのパターンで結婚した。
本人いわく、勝ったのは顔じゃなくて出席率、だって(笑)
笑わせてくれる男には、勝てない
これは何度も目撃してきた現象なんだけど。
女性が誰かを好きになる瞬間、けっこうな確率で、笑っている。
くだらない冗談でゲラゲラ笑わされて、気づいたら警戒心がほどけている。
顔の造形は、慣れる。
三ヶ月もすれば、見慣れた風景になる。
でも、毎日違う角度で笑わせてくる男は、飽きるという感覚から遠い場所にいる。
退屈しない相手のそばに、人は居続けたいんですよね。
ブサイクだから無理、という思い込みを捨てる
ここまで読んで、薄々気づいたかもしれない。
美人が見ているのは、生まれ持った造形じゃなくて、後から作れる部分のほうだ、と。
だとしたら、希望しかない。
だってそれ、努力で動かせる領域なんだから。
顔より先に、美人が引いてしまうもの
発信者仲間の女性陣に、ぶっちゃけ何で一番冷めるか聞いたことがある。
返ってきた答えは、見事に顔の話じゃなかった。
爪の間が黒い。
口を開けた瞬間に漂う、昨日の何か。
よれた襟。
湿ったタオルみたいな匂いのする部屋。
こういうのは、イケメンであっても一発で終わる地雷だそうで。
逆に言えば。
顔が十人並みでも、ここを潰してあるだけで、減点ゼロのスタートラインに立てる。
一万円のシャツより、清潔な指先のほうが効く。
今日からいじれる、たった三つの場所
あれこれ手を出すと続かないから、絞ろう。
まずは髪。
月に一度、美容院で整えるだけで顔の印象は驚くほど変わる。
次に眉。
ボサボサの眉を少し整えるだけで、目元がしゃきっと立ち上がる。
最後に姿勢。
背中が丸まった男は、それだけで自信のなさが透けて見えるもの。
スマホを見る首の角度を、ほんの少し上げるだけでいい。
この三つ、どれも才能はいらない。
昨日までの自分に、ほんのちょっと手間をかけてやる作業。
モテない男が無意識にやっている自爆
正直なところ、この点だけは絶対に気をつけてほしい。
自信のなさは、行動ににじみ出る。
女性と話すとき、目が泳ぐ。
聞かれてもいないのに自分を下げる発言を連発する。
俺なんてどうせ、が口癖。
これ、謙虚に見えて、相手にものすごい負担をかけているんですよ。
だって、いちいち励まさなきゃいけないんだから。
卑下は優しさじゃなくて、甘えだ。
私はそう言い切ってしまいたい。
背筋を伸ばして、ふつうに話す。
それだけで、不思議と空気の重さが変わる。
「なんで俺なんかを選んだの?」という夜の不安
さて、ここからは少し角度を変える。
すでに美人の彼女がいる人の話。
傍から見れば勝ち組。
なのに、当の本人が一番眠れていない、なんてこと、よくある。
不安は、静かに関係を削っていく
あるスタッフが、付き合いたての頃に漏らした本音がある。
彼女が美人すぎて、街を歩くと周りの視線がぜんぶ気になる。
他の男と話しているだけで、心臓がぎゅっと縮む。
で、どうなったか。
LINEの返信を細かくチェックするようになり、彼女の予定にいちいち口を挟むようになった。
俺、こんなにダサい男だったっけ…
束縛は、愛してるの裏返しに見えて、相手からすればただの監視だ。
皮肉なことに、捨てられたくない一心の行動が、いちばん捨てられる理由を作っていく。
彼は危うく、自分でゴールテープを切るところだった。
彼女がその夜、あなたを選んだ理由
思い出してほしい。
世の中にイケメンは無限にいる。
お金持ちも、背の高い男も、選び放題のはずだった。
そのなかで、彼女はあなたの隣を選んだ。
これ、奇跡みたいな確率を、自分で勝ち取った結果なんですよ。
顔だけなら、もっと上はいくらでもいた。
それでも彼女が動かなかったのは、上で書いてきた全部、つまり一緒にいるときの呼吸の浅さや、笑える時間や、雑に扱われない安心が、あなたの隣にあったから。
選ばれた理由を疑うのは、彼女の目を疑うのと同じこと。
失礼な話だと思いませんか。
不安を、自信に変える小さな習慣
不安が湧くのは、自分の価値を顔という一本の物差しでしか測っていないから。
物差しを増やせばいい。
彼女を笑わせた回数。
落ち込んだ日に、そばにいた時間。
約束を破らなかった日々。
それを地道に積み上げている自分を、もっと信用してやってほしい。
私が見てきた長続きするカップルは、例外なく、男のほうがどこかで腹をくくっている。
俺は俺のやり方で、この人を幸せにする、と。
比べるのをやめた瞬間、肩のあたりがふっと軽くなる。
その表情、たぶん彼女が一番好きなやつだよ。

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