深夜のオフィスで、スタッフがぽつりと漏らした。
「また理想が高いって言われた」
合コン帰りだったらしい。
友達に軽く言われただけなのに、帰りの電車でずっと頭がぐるぐるしていたそうです。
自分が間違ってるの?
それとも、周りが妥協してるだけ?
この胸のつかえ、あなたも知っていますよね。
SNSコンサルのチームを率いて、恋愛相談を聞いてきました。
相手はインフルエンサーだったり、スタッフだったり。
理想が高いと言われて、笑い飛ばせた人はほぼゼロ。
みんな一度は帰り道で泣いてる(泣)直すべきなのか、それとも、このままでも選ばれるのか。
恋愛で理想が高い人の特徴
減点表を片手に人と会っている
美容系インフルエンサーのMさんと、撮影の合間に話したときのこと。
彼女、条件リストが12個あったんです。
年収、身長、清潔感、店員さんへの態度、既読の速さ…
まさかそこまで並ぶとは思わなかった。
聞きながら私は内心(それ、もう審査だよ)とつぶやいていました。
理想が高い人は、初対面の相手を減点で見ます。
100点から始めて、気になる点を見つけるたびに引いていく。
採点表を片手に美術館を回るようなものだから、感動する前に点数が出てしまう。
本人はちゃんと見ているつもり。
でも相手には、値踏みされている空気だけが届く。
ここが、モテるかどうかの分かれ道。
モテる人は加点で見る。
0点から始めて、笑い方が好き、話の聞き方がうまい、と足していく。
見られ方が変わると、相手の表情がふわっと緩むのが分かるくらい違うんですよ。
好きになる前に、条件を確認してしまう
二つ目の特徴は、順番です。
本来は好きになってから、この人で大丈夫かなと考えますよね。
理想が高い人は逆で、大丈夫か確認してから好きになろうとする。
確認が終わる頃、相手の熱はとっくに冷めきっている。
私も20代の頃、ノートに理想の男性像を書いていました。
身長175以上、清潔感、ユーモア、年収は自分より上…完全に黒歴史です(笑)
婚活パーティーで会った人全員を、そのノートと照合して帰った夜もある。
はぁ…あの時の私に言いたい。
好きって、確認してから生まれるものじゃないよ、と。
ほかにも心当たりはありませんか。
元恋人と今の相手を比べる。
恋愛経験は少ないのに、条件だけ細かい。
紹介された人を、会う前から断る。
断り続けたスタッフが、あとで写真を見て頭を抱えていた。
なんで会わなかったんだろう、と。
2つ以上当てはまったら、この先を読む価値があります。
理想が高くなる原因は、性格じゃない
条件で自己肯定感の穴を埋めている
Mさんの話には続きがあって、12個の条件は最初から12個じゃなかった。
前の彼氏に浮気されてから、ひとつずつ増えたんだそうです。
条件を足すたびに、心が軽くなった気がした。
正直言って、これは彼女だけの話じゃありません。
自分に自信がないと、相手のスペックで自分の価値を証明したくなる。
年収の高い人に選ばれた私なら、安心。
きれいな彼女を連れている俺なら、胸を張れる。
条件は、自己肯定感の穴に詰める綿みたいなもの。
詰めても詰めても、穴そのものは塞がらないのに。
理想は、傷つかないための盾
条件を厳しくしておけば、誰も通過しない。
結局、誰も来なければ振られることも裏切られることもない。
理想は盾で、しかも本人が盾だと気づいていないことがほとんど。
周りからは高飛車に見えるのに、中身は誰よりも臆病なんですよ。
私が相談を受けてきた中で、この盾タイプが群を抜いて多かった。
Mさんも、条件を減らした途端に、怖い、と口にした。
怖いと言えた時点で、盾はもういらない。
直ったあとに化けるのも、このタイプ。
親の採点基準と、SNSのショーケース
育った家で、条件付きで褒められてきた人も理想が高くなりやすい。
テストで100点なら愛される。
いい大学なら認められる。
その採点基準を、恋人選びにも持ち込んでしまうんです。
そこへSNSが追い打ちをかける。
インフルエンサーの投稿を毎日見ていると、上位1%の暮らしが当たり前に見えてくる。
私はその投稿を作る側にいます。
だから断言できる。
あれは日常の切り抜きじゃなく、ショーケース。
ショーケースと生身の人間を比べたら、生身が負けるに決まってるでしょ。
男女で違う、理想の中身と本音
理想が高い女性は、条件の裏で安心を探している
女性の理想は、数字に出やすい。
年収、身長、学歴、職業。
周りの女性スタッフに聞いても、口をそろえて数字が出てきます。
突っ込んで聞くと、本当に欲しいのは数字じゃないんですよね。
年収を気にする人は、将来の不安を消したい。
身長を気にする人は、隣に立ったときに守られている感覚が欲しい。
学歴を気にする人は、親に紹介する日に肩身の狭い思いをしたくない。
条件は翻訳前の言葉で、翻訳すると全部、安心したい、に変わる。
ここまで翻訳できた女性は強いです。
落ち着きのない年収600万より、隣で深呼吸できる年収400万を選べるようになるから。
理想が高い女の末路、なんて言われてるけど、あれは脅し文句で、末路を決めるのは理想の高さじゃありません。
決めるのは、翻訳ができたかどうか。
スタッフの中にも、整理してからあっさり決まった人と、10年変わらない人がいる。
差は年齢でも顔でもなかった。
理想が高い男性は、外見の裏で承認を探している
動画編集を担当している男性スタッフのK、30歳。
マッチングアプリで顔しか見ていないと、自分で笑いながら言っていた。
彼の理想は、若くてきれいで、家庭的で、自分を立ててくれる人。
そんな人がいたとして、君を選ぶかな…と、喉まで出かかりました。
男性の理想は、外見と若さに寄りやすい。
その裏にあるのは、周りから認められたい気持ち。
きれいな彼女を紹介したときの、友達の反応が欲しいんです。
直接聞いたら、Kはしばらく黙ってから、まあそうっすね、とはにかんだ。
承認を彼女に肩代わりさせている間は、恋愛が試合になる。
勝ち負けが気になる人は、目の前の人を見られない。
見られない人はモテない。
Kが顔で選んだ相手と長続きしたことは、私の知る限り一度もない。
マジでこれだけは、男性に覚えておいてほしいです。
理想が高い人の恋愛がうまくいかない本当の理由
相手はあなたの減点を、確実に感じ取っている
減点している人の顔は、自分が思う以上に出ています。
Mさんと初めて会ったとき、彼女の視線は私の靴に落ちていました。
あの目を、デート相手は毎回浴びている。
目が泳ぐ。相づちが薄い。質問が面接っぽくなる。
相手はその空気を吸って、自分を出すのをやめてしまう。
出てくるのは、その人の一番つまらない部分。
理想が高い人がいつも退屈な相手にしか会えないのは、これが理由です。
相手がつまらないんじゃない。
つまらなくさせているんだよね。
この事実を飲み込んだとき、私はかなりへこんだ。
持っていい理想と、手放していい理想
理想をまるごと捨てろとは、絶対に言いません。
理想が高い人こそいい恋愛ができると、私は本気で信じている側なので。
向上心があって、自分を大切にできて、簡単に流されない。
モテる人の条件、そのまま持ってるんですよ!
線を引く場所は、一か所だけ。
一緒にいる時間に関わる理想は、持っていい。
話が合う、価値観が近い、疲れているときに優しい、なんてもの。
周りに見せるための理想は、手放してもいい。
年収も身長も肩書きも、デートの最中には一度も登場しないから。
理想を下げずに整理するワーク
譲れない条件を3つまで削る
条件を捨てるのではなく、荷物を機内持ち込みサイズにする作業です。
経理スタッフのYさんは、リストに9個ありました。
一緒にやったのは、ふるいにかけるだけの単純なこと。
問いはひとつ。
これがなかったら、一緒にいられないか。
残ったのは、笑いのツボが近い、お金の使い方が近い、機嫌が安定している、の3つ。
身長も年収も、ふるいの下に落ちていきました。
彼女は今、身長165センチの人と、めちゃくちゃ楽しそうに付き合っています。
3つに削ると、会える人の数が突然増える!
ここが、たまらなく気持ちいいところ。
減点をやめて、加点で人に会う
減点の癖は、意識だけでは抜けません。
なので、宿題です。
次に会う人のいいところを、帰り道で3つ挙げる。
それだけ。
ダサいくらい簡単でしょ?
やってみると、会っている最中の目の使い方が変わる。
私も最初は3つ目が出てこなくて、信号待ちで固まりました。
続けると2週間ほどで、頼んでもいないのに勝手に出てくる。
いいところを探す顔は、相手から見ると、興味を持ってくれている顔です。
その顔が、モテる顔そのもの。
私はこの宿題が、どんな恋愛テクニックよりも効くと確信しています。
下げたら後悔する、という不安への答え
理想を整理すると、必ず聞かれます。
妥協した相手と付き合って、あとで後悔しない?
私の答えは、妥協と整理は別物、です。
妥協は、嫌なところを我慢して選ぶこと。
整理は、どうでもよかった条件に気づいて、心から欲しいものだけ残すこと。
Yさんに後悔があるか聞いたら、笑って、条件なんて見てる暇ないよ、と返ってきた。
(うわ、それ一番強いやつ)
後悔するのは、条件を残した人じゃなく、相手そのものを見なかった人です。
好きな人や恋人の理想が高いときの付き合い方
条件を満たそうとした瞬間に負ける
若手スタッフのRが、理想の高い女性に片思いしていた時期があった。
彼女が年収を気にすると聞いて、彼は自分を盛りました。
役職をぼかし、いい店を予約し、時計まで借りて。
結果は、2回目のデートで終了。
盛った自分と本当の自分の差を、彼女はしっかり見抜いていた。
理想が高い人は、審査の目が鋭い。
条件で勝負した人から、順に落ちていく。
逆に残るのは、審査の外側にいる人です。
条件を気にしていない態度、比べられても揺れない空気。
減点表が通用しない相手に、理想が高い人は意外と弱い。
Rがその後うまくいった相手には、最初から年収の話をしていない。
聞かれても、まあ普通、で流したらしい。
理想の高い人は、褒められ慣れています。
条件じゃなく、自覚のない癖を褒めると、驚いた顔をする。
驚いた顔が出たら、審査は終わっている。
何人ものインフルエンサーの恋愛で、私はこの逆転を見てきました。
疲れたときに、続けるかどうかの決め方
付き合ってから、相手の理想の高さに疲れている人もいる。
フォロワーさんからのDMで、月に何通も届きます。
比べられる、褒められない、ため息をつかれる。
眠れない夜を、何度も過ごしているはず。
見るべきところは、一点。
その人が、あなたに対しても加点できる場面があるかどうか。
たまにでも好きなところを口にできるなら、理想は盾で、中身は臆病なだけ。
時間をかければ盾は薄くなる。
一度も加点がないなら、あなたは相手の承認欲求の材料にされている。
その場合は、離れていい。
離れてから追いかけてくる人もいて、そのときに初めて対等な関係が始まる。
冷たい言葉じゃなく、私からのお守りだと受け取ってほしい。

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