「どこ行くの?」って聞かれた瞬間、少しためらってしまった。
海外じゃないと答えた時の、あの何とも言えない空気。
実はこれ、仕事で関わってきたインフルエンサーたちとの雑談の中でよく出てくる話だ。
国内でも全然よかったんだけど、人に言う時なんかためらった、って。
誰かに恥ずかしいと言われたわけじゃないのに、なんとなく言いよどんでしまう。一体なぜそうなるのか…。
その恥ずかしさは、SNSが作り出した幻だった
インスタを開くと、毎日のように流れてくる。青く透き通った海、ヴィラのインフィニティプール、ヨーロッパの石畳の路地。
それが正解の新婚旅行として、気づかないうちに刷り込まれていく。
またこういう写真だ。うちはって、思ったことある人、いない?
ライフスタイル系インフルエンサーと仕事で関わっていた時、雑談でその人がぽろっと言っていた。
「私の新婚旅行、箱根だったんですよ。投稿したら『え、海外じゃないの?』ってコメントが来て、なんかへこんじゃって」
まさかこの人がそんなことを感じていたとは!正直、思ってもみなかった。
その人は今、フォロワーに向けて旅の豊かさは移動距離じゃないということを発信し続けている。
映える写真の裏側に、幸せは映っていない
SNSに溢れているのは演出された非日常感であって、その旅行が最高だったかどうかの証明じゃない。
光の加減、フィルター、角度。
あの写真の裏で何を話していたか、どんな顔をしていたか、誰も知らない。
映える旅と、二人にとって意味のある旅は、完全に別の話だ。
そこがごっちゃになった瞬間、旅先の選択が他人軸になっていく。
国内を選ぶカップルは、想像以上に多い
ただ新婚旅行の行き先として国内を選ぶカップルは増加傾向にある。円安が続いたここ数年は特に顕著で、旅行業界のスタッフからも明らかに国内志向が強まっているという声が出ている。
これを知るだけで、少し肩の力が抜けない?
自分たちだけが国内だという孤独感は、根拠のない思い込みだった、ということ。
恥ずかしさの奥にある、本当の不安の正体
国内で恥ずかしいと検索している人の多くは、他人の目よりも、パートナーへの罪悪感を感じている。
相手は本当は海外に行きたかったんじゃないか。がっかりさせていないか。これは私の観測だけど、ほぼ間違いないと確信している。
連れて行けなかったという罪悪感の重さ
一緒に仕事をしていたスタッフが、自分の新婚旅行の話を聞かせてくれた。
費用の都合で海外を断念した時、しばらくの間そわそわと落ち着かない日々が続いたという。
「相手に申し訳なくて。プロポーズの感動を全部台無しにした気がした」
ぽそっと言った一言が、今でも耳に残っている。
でもその人は、石垣島に行った。
帰ってきた顔が、今まで見た中で一番穏やかだった。
国内でよかった。あの旅がなかったら、今の二人の関係は違っていたと思う。そう笑っていた。
パートナーの本音を引き出す、一つの問いかけ
旅先を決める前に、この一言を試してほしい。
「今回の旅、どんな時間が過ごせたら嬉しい?」
場所の話じゃなくて、体験の話をする。
ゆっくり温泉に入りたい、おいしいものを食べたい、ただ横に並んで歩きたい。
そういう言葉が返ってきたなら、答えはもうそこにある。
国内か海外かという話が、その答えの中に入っていないことがほとんどだから。
国内でも恋愛感情が蘇る旅の、具体的な設計
新婚旅行に求めているのは、移動距離じゃなくて、非日常と二人だけの時間だ。
私はこれを確信している。
その二つは、国内で作れる。
条件が整えば、国内の方が作りやすいことさえある。
宿の選び方で、旅の印象の九割が決まる
これを言うと驚く人もいるかもしれないけれど、宿の質が旅のロマンスを決める。
露天風呂付き客室、専用の食事スペース、一棟貸しのヴィラ。
外に出なくていい構造の宿は、二人の間の空気を自然に緩めてくれる。
他のゲストと顔を合わせない、二人だけの空間。それだけで、会話の質がじんわりと変わっていく。
正直なところ、この宿選びだけは絶対に妥協してほしくない。
交通費を削ってでも宿にお金をかける方が、後悔しない。
スマホをカバンにしまう、それだけでいい
チェックインした瞬間から、スマホはカバンの中へ。
食事中も、温泉中も、夜の部屋でも。
最初の数時間はそわそわするかもしれない。でもそれが、久しぶりにちゃんと相手の話を聞いているサインだったりする。
あるインフルエンサーがさらっと言っていた。
「スマホを持っていると、どんなに素敵な場所でも、どう見せるかを考えてしまう。置いた瞬間、初めてちゃんと彼の顔を見た気がした」
投稿しない旅が、一番深く記憶に残る。
ズキンとくる言葉だけど、これは本当のことだ。
二人にとって初めての体験を一つ入れる
付き合いが長くなると、相手の反応が読めるようになってくる。
その予測可能性が、ときめきを少しずつ薄めていく。
旅行中に二人にとって初めての体験を意図的に入れることで、相手の知らなかった一面がぱっと現れる瞬間を作れる。
陶芸体験、早朝の市場めぐり、乗馬、カヌー。
うまくいかなくて笑っている相手の顔、集中している横顔、小さな達成感で目が輝いている瞬間。
そういう場面で、忘れかけていた感情が戻ってくる。
場所ではなく、二人に初めてを作る設計が、旅のときめきを決める。
フォロワー数十万人でも実践していた、余白のある旅
SNSコンサルとして様々な人と仕事をしてきて、旅行の話になった時に一つ気づいたことがある。
発信が上手くて、生き方がかっこいいと感じる人ほど、旅に余白を作っている。
計画を詰め込んだ旅は、なぜ疲弊で終わるのか
観光地を五か所まわって、ランチもディナーも予約して、ご当地スイーツも制覇して。
帰りの新幹線でぐったりしている二人の写真って、なんとなく見たことある気がしない?
あれは旅行をこなした状態で、旅行を楽しんだ状態とは全然違う。
草津温泉に二泊したインフルエンサーが、面白いことを言っていた。
「何も決めなかったんですよ。朝ごはん食べて、どうする?って聞いて、散歩しようかってなって。あのだらっとした会話が、二泊の中で一番楽しかった(笑)」
余白がある旅は、二人の素の部分を引き出す。
計画が多い旅ほど、意外と何も残らなかったりする。
何もしない時間が、関係をリセットする
日常生活の中で、二人でただぼーっとする時間って、どのくらいある?
仕事のこと、お金のこと、家事のこと。
意識していなくても、頭の中は常に何かで埋まっている。
旅先での何もしない時間は、その詰まりをゆっくりほぐしてくれる。
温泉に浸かりながらなんか幸せだねとつぶやく、あの感じ。
そこに、ときめきの種が眠っている。
旅行後もときめきが続く夫婦の共通点
旅から帰ってきた後の話をすると、関係が長続きするカップルに共通していることがある。
あの時よかったよね、と話す頻度が多い。
記憶の共有が、二人の間に見えない紐を作る。
それを太くしていく作業を、帰ってきた後も続けているかどうか。
思い出を形にすることの、地味だけど確かな力
旅行から帰った後、一週間以内にやってほしいことがある。
旅先で撮った写真を一枚プリントして、部屋に飾ること。
それだけで、あそこ行ったよね、という会話が自然に生まれやすくなる。
旅の記憶が、部屋の空気の中で生き続ける感じ。
長く関係がいきいきしている夫婦を見ていると、思い出を形にしている人がとても多い。
フォトブックでも、旅先で買ったコースターでも、なんでもいい。
証拠が残っている夫婦は、案外強いよ。

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