給湯室でコーヒーを淹れていたら、動画編集を手伝ってくれている子がぽつりと言ったんです。
アプリ、半年やって誰とも会えてないんですよね、って。
半年!しかも一度も!
私って人見知りだから直さなきゃ、と続けた彼女の横顔が、なんだか申し訳なさそうで。
喉まで出かかった言葉を、あの時は飲み込みました。
直さなくていいのに。
SNSで人気の人たちと十年近く一緒に仕事をしてきて、はっきり言えることがひとつあります。
画面の向こうでキラキラしている人ほど、実際に会うと拍子抜けするくらい人見知り。
それでも恋人がいて、しかも長く続いているんですよ。
人見知りが恋愛の壁なら、彼女たちは全員独身のはずでしょ?
そうなっていない理由を、給湯室で言えなかった分まで書いておきます。
人見知りで彼氏ができない原因は性格じゃなくて回数
打席に立った数がそもそも少なすぎる
人見知りの人は、初対面が発生する場所を無意識に避けます。
飲み会は断る、紹介は遠慮する、街コンなんて論外。
気づけば一年で新しく知り合う男性が、片手で数えられる人数に。
打率を悩む前に、打席の数を数えてみてほしい。
三打席しか立っていないのに、自分はヒットが打てないと落ち込んでいる。
そんな状態の人が、意外と多い。
もうひとつ厄介なのが、二回目に進まないこと。
人見知りは、顔を合わせて三度目くらいで急に口が回り出すタイプが大半です。
なのに初対面の印象だけで判断されて、次の約束が生まれない。
本領を見せる前に試合が終わっている。
これほどもったいない話もないでしょう。
好意が小さすぎて相手に届いていない
好きな人ができても、態度に出せない。
出しているつもりでも、相手からは無風に見えています。
目が合った瞬間に逸らす、返信は一行、誘われても即答できない。
どれも相手には、興味がないサインとして受け取られるんですよね。
本人の中ではドキドキが最高潮なのに(泣)。
表情も同じです。
緊張で顔がこわばると、機嫌が悪いのかなと誤解される。
うちの男性スタッフの話をひとつ。
後に付き合うことになる女性に、二か月間ずっと嫌われていると信じ込んでいました。
彼女は毎回、会議で彼の斜め後ろの席を選んでいたのに。
気づいたのは同僚に指摘されてから。
本人としては、必死に近くへ寄っていたつもり。
出会う場所を間違えている
大人数のパーティーや街コンは、人見知りにとって完全アウェイです。
一回きりの接点で、声の大きい人が勝つルールだから。
主戦場にすべきは、同じ顔ぶれと何度も会える場所。
職場、習い事、友人を挟んだ少人数の集まり。
習い事なら、六人固定の陶芸教室みたいに毎回メンバーが変わらないところを選ぶ。
回数を重ねられる場所なら、三度目から表情がほどける持ち味をそっくり使えます。
人見知りは一発勝負に弱く、リーグ戦に強い。
私が関わってきた人たちを見ていて、疑いようがない事実です。
直そうとするたびに恋愛が遠のく
明るく振る舞おう、会話を盛り上げよう。
そう決めた日の帰り道、どっと疲れて次の予定を入れる気力が消える。
無理をして作った自分は、三時間しか持ちません。
その三時間を繰り返すのがつらくて、恋愛そのものから離れていく。
そんな人を、数えきれないほど見送ってきました。
正直なところ、克服という言葉は今日で捨ててほしい。
性格を変えるのではなく、勝てる場所と見せ方を変える。
インフルエンサーで、オフラインだと目も合わせられない子がいます。
彼女の恋人は、DMを三か月続けてから初めて会った人でした。
文字で先に中身を知ってもらえば、初対面の無言は減点にならない。
そこに気づいた瞬間、彼女の人見知りは弱点から武器に変わった。
人見知り女性の脈ありサインは本人が思うより外に漏れている
男性が見落としているかすかなサイン
人見知りの女性は好意を隠せていると信じているけれど、実は盛大に漏らしています。
ただし音量が極端に小さい。
声を張ってアピールする人と同じ耳で聞いていると、何も聞こえないんですよ。
視線は逸らすのに、目が合う回数だけはやたら多い。
用事もないのに同じ空間へ現れる回数が増える。
返信は短いくせに、驚くほど早い。
深夜になると突然長文になる。
仕事の相談を、わざわざその人を経由して持ち込む。
好きなものの話題になった途端、別人みたいに早口。
髪を切った翌日、その人の前でだけ前髪を触る手が止まらない。
ストーリーは毎回見ているのに、いいねは押せない。
閲覧者の欄には、いつも上のほうにいる。
この最後のサインは、SNSの仕事をしているとしょっちゅう見かけます。
極めつけは、二人きりになるとかえって口数が減ること。
読み違えの筆頭がこれ。
どうでもいい相手には緊張しないから、普通に喋れる。
黙ってしまうのは、目の前の人が特別だから。
脈なしと勘違いされやすい人見知りのクセ
誘いに即答しないのは、断っているのではなく、断ったら関係が壊れるかを考えている最中。
返信が一行なのは、長文で引かれたくないから。
無表情なのは、顔の筋肉まで固まっているせい。
男性側がこれを知らないと、三つとも脈なしに見えます。
インフルエンサーのマネージャーをしている子の話も似ています。
担当の男性から、半年近く脈なし扱いされていたそうで。
理由は、誘いへの返事がいつも翌日だったから。
翌日になるのは、返事の文面を夜中まで推敲していたせいだったのに。
逆に言えば、このクセを知っている男性は、口数の少ない女性の心をつかむのが本当にうまい。
焦らず、詰めず、三回会うまで待てる人。
断られた気がしても、いつも通りに接し続けられる人。
そういう人だけが、彼女たちがふいに見せる笑顔に立ち会える。
職場なら、挨拶に一言足す程度の接触を毎日続けるだけでいい。
いきなり距離を詰める人は、正直言って真っ先に警戒されます。
好意の音量を一段だけ上げる
人見知りの女性側にお願いしたいのは、つまみをひとつ回す程度に音量を上げること。
無理に明るくなる必要はまるでありません。
目が合ったら、逸らす前に一秒だけ長く見る。
返信の最後に、質問をひとつ足す。
相手の名前を、会話の中で一回だけ呼ぶ。
これだけで、相手の耳に届く音量になります。
さっきの斜め後ろの席の話には、続きがあります。
彼女が初めて名前で呼んだ日、彼はやっと気づいたそうです。
でも、それで十分だった。
人見知りの好意は、ほんの少し外に出すだけで相手を落とすほどの熱量を持っています。
出し惜しみしているうちに、その熱は誰にも届かないまま冷めていく。
人見知り女性こそマッチングアプリで勝てる理由と使い方
文字から始まる出会いは人見知りの土俵
初対面の壁を、家のソファで越えられる。
アプリの正体はこれです。
相手の趣味も休日の過ごし方も、会う前に読める。
話題を探して固まる時間が、最初から存在しない。
合わなければ、顔を見ずに終わらせられる。
対面の出会いで人見知りが苦しむ場面が、丸ごと消える場所なんですよ。
ただ、この点だけは絶対に気をつけてほしい。
軽いノリの人が多いアプリを選ぶと、会話のテンポ勝負になって一気に不利です。
真剣に相手を探す人が集まり、プロフィールを読み込む文化がある場所を選ぶ。
場所を変えた瞬間、口数の少なさが誠実さとして読まれます。
給湯室の彼女が半年空振りした理由は、結局ここでした。
選んでいたアプリが、テンポの速い人向けだった。
プロフィールには人見知りを隠さず書く
彼女のプロフィールを、私が半ば強引に書き換えさせました。
入れたのはこの一文。
「初対面は静かですが、三回目あたりから急によく笑うと言われます」
弱点を包み隠さず書いて、三回目という約束を先に渡す。
まさか、これでマッチが倍になるとは思いもしませんでした。
人見知りを隠すと、会ったときのギャップがマイナスに働きます。
先に出しておけば、静かなだけで好印象に化ける。
写真にもこの理屈が効いて、正面の笑顔より何かに夢中になっている横顔のほうが反応がいい。
インフルエンサーの投稿を分析していても、没頭している姿のほうが保存の数が伸びます。
人は、作られた笑顔より本気の横顔に惹かれる。
これは断言していい。
三枚目には、料理でも本でも猫でもいいので会話の入口になる一枚を置く。
質問の材料を先に渡しておくと、初手のメッセージが向こうから来る。
メッセージと初デートで消耗しない
メッセージは長く書かない。
相手のプロフィールから拾った話題をひとつ、質問をひとつ。
一通はこれで完成です。
写真の場所は京都ですか、私も去年の秋に行きました、紅葉は混んでいましたか。
初手はこの温度で十分。
返信のペースは相手に合わせ、話題が尽きたらプロフィールに戻る。
ネタ切れで黙るくらいなら、写真の背景について聞くほうがずっといい。
会う前の電話は、人見知りには要りません。
声の緊張が先に伝わって、損にしかならないから。
初デートは、会う前に人見知り宣言を済ませておく。
当日は最初の十分が一番静かかもしれません、と一言送るだけ。
これで沈黙の責任が自分から消えます。
店は向かい合わせよりカウンターか斜めの席。
席の向きひとつで、呼吸が楽になる。
時間は一時間と先に伝えておく。
終わりが見えていると、人はそわそわしなくなるんですよね。
楽しければ延長すればいい。
彼女の初デートは水族館でした。
水槽を見ながらなら、黙っていても間が持つ。
私が勧めたわけじゃなく、相手の男性が選んだそうです。
人見知り女性と相性のいい男性と人見知り同士の恋愛
沈黙を怖がらない男性を選ぶ
相性で最初に見るのは、沈黙の扱い方。
会話が止まったときに慌てて埋める人か、黙ったまま景色を眺めていられる人か。
人見知りの女性が長く一緒にいられるのは、黙っていられる人です。
質問が上手な人も相性がいい。
聞き役同士だと会話が完全に止まるので、こちらの話を引き出してくれる人は貴重。
自分の趣味をしっかり持っている人も、構いすぎてこないので息が楽。
見分け方は簡単で、初デートで沈黙が三十秒続いたときの顔を見ればいい。
困った顔をせず、飲み物を口に運んで待てる人なら合格。
話題を矢継ぎ早に投げてくる人は、優しいけれど長期戦には向かない。
反対に、初対面のノリで人を判断するタイプは避けたほうがいい。
リアクションの薄さを退屈だと受け取る人も要注意。
グイグイ来る男性は、最初は楽なんだよね。
自分から動かなくても関係が進むから。
半年後、そのテンポについていけなくなって音もなく離れていく。
このパターンを、私は嫌というほど見ました。
人見知りの女性は、社交的な男性より静かに面白い男性を選んだほうが長く続く。
私はそう確信しています。
人見知り同士は遅いけど長い
人見知り同士の恋愛はうまくいくのか。
遅いけど長い、が答えです。
誰も誘わないので、付き合うまでに一年かかることもざらにある。
うちのスタッフカップルがまさにそれ。
デートの約束は、スタンプの往復だけで成立していたそうです(笑)。
言葉にしなくても通じる幸せと、言葉にしないから進まない不便が同居している。
打てる手はひとつ。
別れ際に、次いつ会うかを口にする係を決める。
交互でもいいし、女性側が固定でもいい。
役割にしてしまえば、誘う勇気は要らなくなります。
勇気ではなく係。
喧嘩のときにも同じ手が使えます。
両方が黙り込む前に、二十四時間以内に一言だけ送ると決めておく。
係にした途端、人見知り同士でも前へ転がり出す。
始まるまでは湯たんぽがじわっと温まるくらい遅くて、温まったあとは朝まで冷めない。
うるさい恋愛に疲れた人には、これ以上ない組み合わせだと言い切れます。

コメント