恋愛のサンクコスト効果とは?5年付き合って別れられない理由

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その恋、好きだから続いてる?もったいないから続いてる?

深夜のファミレスでした。
インフルエンサーのある子が、運ばれてきたポテトに一本も手をつけないまま、ぼそっとこぼしたんです。
もう好きじゃないんですけど、五年分がもったいなくて。
…その一言、えぐかった。
あ、これ恋の話に見えて、全然ちがう話だと、背中がざわっとしたのを今でも覚えています。

ポテトが冷めきるまで、彼女は動かなかった

彼女の彼氏は、悪い人じゃない。浮気もしないし、記念日も忘れない。ただ、結婚の話になると毎回きれいにかわす。もう三回目でした。
親には紹介済み。友達からは、そろそろでしょ、と半笑いで聞かれる。仕事仲間もみんな知ってる。
逃げ道が、外側からじわじわ塞がれていく感じ。
彼女がずっと繰り返していたのは、彼への不満じゃなかったんですよ。二十代の五年を返してほしい、それだけ。

好きの残高と、投じた金額は、別の口座にある

恋を続ける理由って、ほんとうは二種類あります。
これからこの人といたいから続ける。もう払ったぶんが惜しいから続ける。
この二つが同じ財布に入っているように見えてしまうところが、いちばん厄介なところ。
彼女は好きだから一緒にいると信じていたけど、口から出てくるのは思い出の話ばかりでした。未来の話は、一つも出てこない。

恋愛のサンクコスト効果が、ここまで人を縛る理由

取り返せないものを、取り返そうとしてしまう心のクセ

すでに払ってしまって、もう戻らないお金や時間のことを、経済学では埋没費用と呼びます。サンクコスト。
おかしいのは、人間がこの戻らないぶんを判断材料に入れてしまうところ。アークスとブルーマーが一九八五年に実験で示して以来、行動経済学の定番になっている話です。
超音速旅客機コンコルドは、途中から採算が合わないと誰もが気づいていました。それでも止められなかった。ここまで注ぎ込んだのに、が勝ってしまったんですね。だからコンコルド効果とも呼ばれる。
恋愛は、これの最上級です。

恋で溶けていくのは、お金だけじゃない

デート代や旅行代なら、まだ数えられる。数えられないほうが強敵なんですよ。
機嫌をうかがった夜。既読がつかないままスマホを裏返した回数。言いたいことを飲み込んだぶん。ぐるぐる考えて眠れなかった朝。
そして最後のロックが、周囲への説明責任。
親に紹介した。友達に話した。SNSに二人の写真を上げた。この撤回コストが、実は交際年数より重いんです。僕はこれ、恋愛の問題じゃなくて社会的な体裁の問題だと思っています。
彼への気持ちはとっくに冷めてるのに、周りへの言い訳が用意できないから動けない。そういう子、めちゃくちゃ多い。

情と愛情とサンクコストは、まったく別の生きもの

一緒にいた年数は、愛の証明書にはならない

長く続いてるから愛してる。これ、順番が逆になってます。
長くいると、慣れが生まれる。慣れは楽で、楽は心地よくて、心地よさは愛情によく似ている。似てるだけ。
情は、相手が傷つく顔を見たくないという気持ち。愛情は、この人と明日も明後日も過ごしたいという気持ち。サンクコストは、ここまでの自分を否定したくないという気持ち。
三つめだけ、主語が相手じゃないでしょ。自分なんです。

見分けたいなら、未来の話を振ってみて

来年の夏どうする?と聞いたとき、相手じゃなくて自分の顔が曇るなら、答えは出てます。
うちのチームの子が言ってたんですよ。彼と旅行の計画を立てるのが、いつからか宿題みたいになってた、って。楽しみじゃなくて、こなすもの。
息を吐きながら旅行サイトを開いてる時点で、もう。

その恋の正体がわかる、七つの問い

答えづらい質問ほど、当たる

考え込まずに、ぱっと出た答えを拾ってください。
今日はじめて出会ったとして、この人と付き合いたい?
この人の話を、友達に楽しそうにできてる?
通知が鳴ったとき、胸が弾む?それとも肩が重くなる?
この関係の良いところを挙げると、思い出ばかりになってない?
別れを想像したとき、寂しいのは相手?それとも一人になる時間のほう?
相手のためじゃなく、これまでの自分のために続けてない?
一年後、同じ会話をしている自分に耐えられる?

三年、五年、七年。長いほど出口が遠くなっていく

あと一年待てば、が一番あぶない

待った一年ぶんだけ、次の一年も待ちやすくなる。これがコンコルドの罠。
三年で迷っていた子が、五年で動けなくなり、七年で考えるのをやめる。この落ち方、見てきた数だけ言えます。
正直なところ、この点だけは気をつけてほしい。今日決められないことは、来年はもっと決められません。判断力は年数とともに落ちていく。

期限を切った子から順に、なぜか楽になっていった

うちのスタッフが、半年の期限を自分の中だけで決めたことがありました。彼には一言も伝えず、カレンダーに小さく印だけつけて。
結果ですか。半年後、普通に別れました(笑)
でも彼女、めちゃくちゃすっきりした顔で報告してきたんですよ。決めた日から、どっちに転んでも大丈夫だと思えたって。
逆のケースもあります。別の子は期限を切ったら、なぜか彼のほうが動いた。伝えてないのに伝わったんでしょうね。腹をくくった人間の空気って、隠せないんだと思う。
まさかそんなふうに転ぶとは思っていませんでした。

抜け出した人が、なぜか急にモテはじめる件

決められる人は、それだけで色っぽい

ずるずる続けている人って、目が泳ぐんです。写真に写る。SNSの投稿にも、なんとなく出る。何を撮っても、どこか言い訳っぽくなる。
決めた人は、目が静か。
うちが見てきた中で、フォロワーの反応が跳ねた瞬間って、実は投稿の質が上がったときじゃないんですよ。長引かせていた関係を畳んだ直後が、いちばん多い。
迷いのない人は、色気が出ます。

空いた時間が、顔つきまで変えていく

機嫌をうかがう作業って、思っている以上に脳を食います。あれをやめると、リソースが戻ってくる。
髪を切りにいく。前から気になってた店に一人で入る。断ってばかりだった誘いに、はじめて行ってみる。
そこで新しい人に会うから恋がはじまる、という話ではなくて。余白がある人は、話しかけやすいんです。近づける隙間がある。
待っている人には、その隙間がない。ずっと満席の札を出してるようなもの。

その年数は無駄じゃなく、目利きの材料になった

いちばん聞かれるのが、これ。あの五年は無駄だったんですか、って。泣きそうな声で。無駄じゃないです。ただし、意味は後づけでしか手に入りません。
五年かけて、その人は自分が何に耐えられないかを覚えました。曖昧にされることが苦しいと知った。将来の話をはぐらかす人が無理だと体で理解した。これ、二十歳の自分は絶対に知らなかったことでしょ。

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