先月、チームの後輩と飲んだ帰り道だった。24歳、メーカー勤務、真面目でいいやつ。信号待ちでボソッと言われた。
「俺、このままだと一生こうなんですかね」
返す言葉を探しているうちに信号が変わった。あの数秒、胸のあたりがざわっとした。かけてやれる言葉が何もねぇ…
SNSの仕事で、恋愛系で伸びる男性が、どこをどう変えて今の姿になったのか。雑談レベルでさんざん聞いてきたわけです。そこで気づいたことがひとつある。彼らのほぼ全員、いきなりモテたわけじゃない。順番を守っただけなんですよ。
学生時代と社会人では、恋愛のルールが丸ごと入れ替わる
出会いは、もう自動で供給されない
学生の頃は、教室に座っていれば同年代が勝手に横にいた。サークル、バイト、授業終わりの雑談。恋愛が始まる下地は、放っておいても用意されていたんだよね。
社会人になると供給がぱたりと止まる。職場と家の往復で1日が終わり、気づけば同年代と話す機会が週にゼロ。出会いがないと嘆く人の大半は、努力不足でも人間性の問題でもなく、環境が変わっただけ。ここを自分の魅力の欠如だと解釈すると、しんどさが3倍に膨らみます。
失敗が、逃げ場のない場所で起きる
学生時代の失恋には出口があった。卒業すれば環境ごとリセットできたから。職場は違う。告白して断られた相手と、翌朝9時、同じ会議室で顔を合わせる。この構造が怖くて動けない人、相当いるはず。
結果、練習の機会をひとつも持たないままぶっつけ本番になる。社会人デビュー組が詰むポイントは、ほぼここに集中していました。
最初にやることは、出会い探しではない
順番を間違えた後輩の写真を見た日
さっきの後輩、相談される前にもうマッチングアプリを始めていた。3ヶ月でマッチ7件。メッセージが続いたのは1人。プロフィール写真を見せてもらった瞬間、僕は言葉を選ぶのをやめました。
前髪が目にかぶさり、眉は手つかず、部屋の照明は暗く、シャツの襟はヨレていた。顔の話じゃないんです。撮る前の準備をひとつもしていなかった、それだけ。
加点より先に、減点をゼロにする
恋愛の入り口で、相手はこちらを加点方式で見ていません。減点方式です。面白いかどうかを判定される前に、無理かどうかのフィルタが先に動く。
トーク力を磨く前に、引かれる要素を消す。この順番以外に正解はないと僕は確信しています。逆をやった人が、どれだけ遠回りしたか見てきたので。
最初の2週間、見た目の土台をつくる
潰すべき減点要素は、だいたい決まっている
髪型、眉、肌、体型、服のサイズ感、靴のくたびれ具合、爪、匂い、姿勢。上位に食い込む恋愛系の男性インフルエンサーに聞いても、最初にいじった場所はほぼ同じでした。モテる彼が、ぽろっとこぼした一言が忘れられない。
「垢抜けって、足す作業じゃなくて引く作業なんですよ」
眉を整える。髪を短くする。肩幅の合った服を着る。くたびれたスニーカーを捨てる。それだけで別人になる人が本当にいるんです。3万円と2週間で片付く話に10年悩んでいたりする。
匂いも軽視されがち。香水を足す前に、枕カバーと部屋着を洗う頻度を上げるほうが効きます。足し算の発想で香水を振ると、たいてい失敗する。
一気に変えると、痛くなる
ここで暴走する人がいるんだよね。全身をブランドで固めて、髪を明るくして、香水をまとって出社する。翌週の職場がどうなるか。
変えるなら引き算から。しかも一度に全部やらない。理由も語らない。何かあった? と聞かれて、いや別に、で流せる程度の変化を毎週ひとつ積む。この地味さが、痛くならない唯一のやり方。
社会人デビューが失敗する原因は、変わろうとしたことじゃない。他人の正解をそのままコピーしたことなんです。
3週目から、会話の練習を恋愛の外で積む
求められているのは、面白さじゃない
会話が続かないと悩む人は、だいたい面白い話をしようとしている。ここが盛大にずれてる。初対面の相手が見ているのは安全性のほう。一緒にいて疲れないか、否定されないか、ちゃんと聞いてくれるか。
うちのスタッフに、恋愛経験ほぼゼロから半年で交際に至った子がいます。彼が変えたのはひとつだけ。相手の話に、へえ、と返すのをやめて、それいつからなんですか? と一段深く聞くようにした。トーク術の本は1冊も読んでいない。
質問を重ねられた側は、この人は自分に興味がある、と受け取る。話を回した人じゃなくて、聞いた人が好かれるんですよ。
練習台は、日常のあちこちに転がっている
美容師、コンビニの店員、居酒屋で隣に座った人。恋愛感情が絡まない相手との雑談は、失敗しても損害ゼロ。ここで話す筋肉を先に作っておくと、本番のガチガチ具合が明らかに変わります。
いきなりデートで練習しようとするから、心臓がドキドキして頭が真っ白になる。当然でしょ。試合しか経験のない選手なんていないので。
1ヶ月半を過ぎたら、出会いの母数をつくる
初心者に向いている順番がある
僕が見てきた範囲で、最初の一歩に向くのは趣味や習い事の場。恋愛が目的じゃない集まりだから、空振りしても傷が浅い。しかも同じ空間に何度も通う分、相手の警戒が自然に緩む。
次が友人からの紹介。身元を保証してもらえるアドバンテージは、思っているより大きい。ただし紹介してもらえる人間関係を持っていること自体が条件になるので、ここは人を選ぶ。
マッチングアプリは3番目。効率だけなら最強、その代わり写真とプロフィールの完成度がそのまま数字に出る残酷な世界です。土台を整えずに登録すると、心を削られて終わる。
職場恋愛を最後に回す理由
社内の人が一番手近に見える。その気持ちは分かる。それでも僕は最後に回してほしい。断られた翌日から、毎日顔を合わせる生活が始まるから。噂が回る速度も、想像の3倍は速い。
社内で始めるなら、恋愛感情を見せる前に仕事で信頼を積む。順番が逆になった人の話は、聞いていて胃がキリキリするものばかりでした。
マッチングアプリで消耗しないための実務
写真は3枚で勝負がついている
1枚目は上半身、自然光、他人に撮ってもらったもの。自撮りは角度の不自然さがどうしても出ます。2枚目は趣味や活動が写っているもの。3枚目に全身。この3枚で、清潔感と生活感と体型が同時に伝わる。
自室で撮った暗い写真を1枚目に置いている人、めちゃくちゃ多い。あれで機会を落としている男性がどれだけいるか。カフェの窓際で友人にスマホを渡すだけで、印象がひっくり返ります。
プロフィール文と最初の1通
長文の自己紹介は読まれない。仕事、休日の過ごし方、相手とどう過ごしたいか。この3つを短く書けば足ります。ネガティブな予防線を張る文は全部削る。自信のなさは文章から漏れるので。
最初のメッセージは、相手のプロフィールの中身に触れた一文と質問を1つ。はじめまして、よろしくお願いします、だけの1通は、まず返ってこない。
初対面から2回目のデートまでの型
1回目は、短く終わらせたほうがいい
初デートで3時間も4時間も粘る人がいます。ネタが尽きて、後半は沈黙との戦い。最後の30分の気まずさが、その日の印象を丸ごと持っていく。
1時間から1時間半で切り上げる。もう少し話したかったな、を相手に残す。次につながるのは圧倒的にこっちです。名残惜しさほど強い口実はない。
恋愛経験ゼロは、言うべきか隠すべきか
隠さなくていい。かといって自分から先に告白する必要もない。
問題になるのは経験のなさそのものじゃなく、隠そうとして出る不自然さのほうなんです。慣れているフリをして会計で手間取ったり、知ったかぶりで話を合わせて矛盾したり。バレるのは常にそっち側。
聞かれたら、あんまり縁がなかったんですよね、くらいで終わらせる。深刻に語らない、卑下もしない。淡々としている人ほど、相手はその話題を追いかけてこないですから。

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