愛されキャラなのに、なぜか恋人にはなれない
打ち上げの帰り道でした。
長く一緒に仕事をしてきた発信者さんが、コンビニの光をぼんやり眺めながらこぼしたんです。
「私、好かれてはいるんですよ。ただ、誰も付き合おうとは言わないだけで」
その声があまりに軽くて、こっちの胸にぐさりときました。
彼女は場を明るくする天才。飲み会では必ず輪の中心にいて、自分の失敗談だけで一時間もたせる人。それなのに恋愛の話題になると、急にトーンが落ちる。
好かれてはいる。ただ、選ばれない
お茶目な人には好意が集まります。
無邪気で、隙があって、ミスしても許される。この構造は本当に強い!
やっかいなのは、集まった好意が恋愛感情に化けにくいこと。
好感度と欲望は、別々の回路で動いているんですよ。
一緒にいて楽しい、話しやすい、なんか癒される。ここまでは満点に近い。ところが、独り占めしたい、他の誰かに取られたくない、という感情はまったく違う場所から生まれます。
楽しい人という評価は、静かな線引きだった
一緒にいて楽しい人。
褒め言葉に聞こえるでしょ。
正直なところ、私はこれを穏やかな境界線の宣告だと受け取っています。
恋愛対象として意識している相手に、人はこの言葉をあまり使わない。もっと落ち着かない、自分でもうまく説明できない感想が出てくるんです。
きれいに言語化できている時点で、相手の頭のなかでは整理が終わっている。
整理された状態を、恋とは呼びません。
お茶目さは距離を縮める道具であり、同時に盾でもある
この記事で一番伝えたいのがここ。
お茶目さには、表と裏の機能があります。
表は、相手の緊張をほどく力。初対面の人とも三分で打ち解けられる、あの感じ。
裏は、それ以上は誰も踏み込ませない力。
ふざけ続けている人の内側には、誰も入っていけないんです。本人ですら気づいていないことが多い。
ふざけていれば、断られても冗談で済ませられる
好きな人に、冗談まじりで気持ちを伝えた経験。ありませんか。
もう付き合っちゃう?なんてヘラヘラ言って、相手が笑って流したら自分も一緒に笑う。
今のは冗談だし。別に傷ついてないし
私が見てきた限り、お茶目な人ほどこの逃げ道を先に用意します。
本気を出して断られたら、逃げ場が消えてしまうから。
軽さは、優しさの顔をした保険なんですよ。
保険をかけて渡した気持ちは、ほぼ確実に届かない。相手だって、軽く投げられたボールは軽く受け取ります。当然でしょ。
真顔になった瞬間、空気がざわっと動く
撮影現場のスタッフさんが、雑談でこんな話をしていました。
いつもふざけている子が、ある日ぽつりと真剣な相談をしてきた。その瞬間、初めて異性として意識したって。ずっと妹みたいだったのに、と。
ギャップ萌えという言葉で片づけられがちなんですけど、起きていることはもっと単純です。
その人の内側が、初めて見えた。
恋が始まるのは、面白い瞬間じゃない。予測できない瞬間なんです。
可愛がられると愛されるを分ける、細い線
マスコット化という、静かな落とし穴
女性の場合、この話がかなり切実になります。
お茶目な女性はモテる。それは事実。ただ、モテ方に種類があるんです。
場を明るくしてくれる存在、いてくれると助かる子、みんなの妹分。
この位置に固定されると、可愛がられはするのに、誰も口説きにこない。
私はこの現象をマスコット化と呼んでいます。
愛でられる対象と、求められる対象は、まったく別物。
あるスタッフが漏らしたひとことが忘れられません。あの子、飲み会には絶対呼ぶけど、二人では誘わないな、と。
悪意ゼロ。それが余計にきついんですよ。
二十代後半から、周囲の物差しが入れ替わる
二十代前半なら、無邪気さはそのまま魅力として通用します。
ところが二十代後半を過ぎたあたりから、見る目が変わりはじめる。生活や将来を意識した目線が混ざってくるからです。
そこで無邪気さだけが残っていると、頼りない、深い話ができない、という評価に反転することがある。
この点だけは絶対に気をつけてほしい。
お茶目さを捨てろという話ではありません。捨てたら、その人の一番いいところが消えます。
必要なのは、お茶目さの下に厚みを足すこと。
武器になっているお茶目と、鎧になっているお茶目
同じ性格でも、恋愛での働き方はまるで違います。
見分け方はひとつだけ
弱っているときに、素のまま人に会えるかどうか。
落ち込んだ日、しんどい日、どうしようもなく無気力な日。
その状態のまま誰かの前に出られる人は武器型。お茶目さは持ち物のひとつで、外しても自分が残ります。
逆に、体調が最悪でも明るく振る舞ってしまう人。暗い面を見せた瞬間に価値がなくなる気がする人。
これは鎧型ですね。
鎧型の苦しさは、愛されても実感が湧かないところにあります。
好きになってもらえたとして、それはキャラを好きになっただけじゃないか。そんな疑いが、いつまでも消えない。
恋愛が進まない原因は性格じゃありません。鎧を脱げる場所が一箇所もないこと、そっちです。
キャラを降ろす練習
急にしっとりした人になる必要はゼロ。むしろ逆効果になります。
知り合いの発信者さんが真剣モードを頑張りすぎた結果、今日元気ないね?と本気で心配された話には笑いました(笑)
やることは、もっと小さい。
一日一回、加工なしの感想を出す
面白く整える前の言葉を、そのまま置いてみる。
今日しんどかった。あの映画、途中で泣いた。ほんとにそれだけ。
オチのない会話に、最初は落ち着かなくなるはずです。
あれ、間が持たない…
その気まずい三秒に耐えられるかどうかで、関係の深さが変わります。
笑わせるのをやめて、笑い合う
笑わせる関係には、上下が生まれるんですよ。芸をする側と、それを見る側。
恋愛は横並びでしか進みません。
自分がしゃべる量を減らして、相手の話にふわっと笑う回数を増やす。地味だけど、私はこのやり方が一番確実だと確信しています。
好意だけは、冗談に混ぜない
普段ふざけている人が発する真剣な一言は、破壊力が段違いです。前フリが効いているから。
つまり、使いどころを間違えなければ、お茶目さは最強の助走になる。
お茶目な人を好きになった側へ
態度の種類ではなく、差分を見る
誰にでも優しいから脈ありがわからない。この相談、本当に多い。
見るべきは態度の中身じゃないんです。
他の人に向ける顔と、自分に向ける顔の差。
沈黙になったときの居心地。
こちらが落ち込んでいるときに、ふざけるのをやめるかどうか。
好意を持っている相手の前で、お茶目な人は静かになります。
にぎやかさが引いたところに、その人の本音が残るからね。

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