「可愛いのにね、なんで彼氏いないんだろうね」
…その一言、何回言われたことがある?
褒め言葉のはずなのに、なぜかじわじわと胸に刺さる。なんで”のに”ってつくんだろう。まるで欠陥品みたいじゃないか。
SNSコンサルでインフルエンサーたちと長年関わってきたが、いわゆる「可愛い」とか「素敵」とか言われる女性たちと毎日のように話してきた。
そんな現場で気づいたことがある。
「可愛い人ほど、恋愛で詰まっている」
これ、マジなんだよ。
「外見が武器」という思い込みが、逆に足を引っ張る
あるとき、美容インフルエンサーの子(以下Aちゃん)と撮影後の楽屋で話していた。
「最近どう?」って聞いたら、ふっと目線が落ちて「…彼氏、ずっといないんですよね」と。
「え、モテそうなのに?」と正直思った。思ったけど、顔には出さなかった。
「声かけられることはあるんですけど、なんか…続かないというか。好きになれないというか」
そこから2時間、仕事の話そっちのけで話し込んだ。
Aちゃんが言っていたのはこうだ。「可愛いって言われてきたから、なんとなく”選ばれる側”でいればいいと思ってた。でも気づいたら29歳で、好きな人もいなくて、なんか……虚しい」
虚しい、か。
その言葉が喉のあたりにひっかかって、しばらく取れなかった。
「可愛い」は”近づきにくい壁”にもなる
恋愛って、結局は「この人と話したい」「もっと知りたい」という衝動から始まる。
でも、見た目が整っている人には、男性側に勝手なストッパーがかかる。「どうせ彼氏いるでしょ」「俺じゃ釣り合わないし」「怒らせたら怖そう」——これ、全部思い込みなんだけど、現実として機能してしまう。
つまり、あなたの魅力が”バリア”になっている状態。
SNSで言えば、プロフィールが完璧すぎてコメントしにくいアカウント、みたいな感じ。(フォローはするけど話しかけにくい、あの感覚)
だから「可愛いのにモテない」じゃなくて「可愛いから近づけない」という構造がまず一つある。
好意を出さない女性は、恋愛市場でほぼ”存在していない”
もう一人、うちのスタッフ(Bさん、当時27歳)が飲み会の後でポツリと言った話。
「私ってさ、好きになっても絶対顔に出ないんだよね。冷静というか…」
(あ、それ冷静じゃなくて怖いんだよ、と喉まで出かかった)
好意を出すって、なんか「負け」な気がする。そういう感覚、ある人いると思う。
でも男性の視点で言うと、好意のサインがゼロの相手を好きになるのは、ほぼギャンブルだ。「脈なしかもしれない人に告白する」リスクを取れる男性は、思ってるより少ない。
つまり、こちらが無表情でいると、向こうも動けない。
ちなみにBさんは、その後「好きな人の前だけ、ちょっとだけ笑顔を増やす」を意識し始めて、3ヶ月後に付き合い始めた。やることはそれだけ、だった。
笑顔、それだけ。ドキッとするくらいシンプルな話。
「選ばれる」より「選ぶ」に切り替える
Aちゃんの話に戻ろう。
彼女が変わったきっかけは、マインドの転換だった。「可愛いから選ばれるはず」という受け身の姿勢から「自分が好きな人を選ぶ」という主体性へのシフト。
これ、言葉にすると簡単だけど、実際やると手が震えそうになる話だ。
(好きって伝えて、振られたら? そのほうがずっと怖い)
でも彼女が言っていた。「気になる人に”それ、どこで買ったんですか?”って一言聞いただけで、なんか人生変わった気がした」
一言で、人生。
大げさに聞こえるかもしれないけど、ずっと受け身だった人間が初めて一歩踏み出した瞬間って、それくらい体の中で何かが動く感覚があると思う。
恋愛を”回避”しているのに気づいていない人へ
ここが一番重要な話かもしれない。
「好きになれない」「男性に興味が持てない」「いい人だとは思うけど…」
このパターンが続いているなら、恋愛そのものを無意識に回避している可能性がある。
心理学的には”回避型愛着”と呼ばれる状態で、過去の傷つき体験(拒絶された、裏切られた、親の愛情が不安定だったなど)から、自分を守るために感情をシャットダウンするクセがついている。
難しい話に聞こえるけど、実感としてはこういう感じ。「好きかもしれない」と思った瞬間、急に冷める。相手のあらを探し始める。「やっぱ違うな」で終わらせる——これ、心当たりない?
Aちゃんも「気になる人ができると、なぜかその人のダメなところが見えすぎてしまう」と言っていた。
傷つきたくないから、好きになる前に降りる。
その防衛反応、まじで恋愛の天敵だ。
じゃあ、何をすればいい?
ここからは具体的な話をしよう。
まず「なぜ自分は恋愛を避けているのか」を一度、ノートに書き出してほしい。過去の恋愛で傷ついた記憶、好きになると怖くなる感覚、その根っこを探るだけでも、ぐっと視界が開ける。
自己分析って地味だし、「そんなことで変わるの?」と思うかもしれない。でも、インフルエンサーたちを見ていて感じるのは、自分のことをちゃんと知っている人が、恋愛でも強いということ。
自分が何を怖がっていて、何を求めていて、どんな相手なら安心できるか。それが言語化できている人は、行動のブレが少ない。
次に「一週間に一回、気になる人に一言話しかける」を課題にしてみてほしい。
内容はなんでもいい。天気でも、仕事の話でも。大事なのは「自分から動く」という事実を積み上げること。ちょっとずつ、ちょっとずつ、受け身の姿勢が崩れていく。
SNSの使い方も、実は関係している
これ、意外と誰も言わない話。
「可愛い」と思われている女性ほど、SNSが完璧に整っていることが多い。フィードも綺麗、キャプションも洗練されている。
でも…それが”近づきにくさ”を強化することがある。
失敗談、ちょっとした弱音、「今日どうしても食べたかったんだよね」みたいな等身大の投稿——そういうもので初めて、「この人と話してみたい」という感情が生まれる。
うちのチームが関わったあるアカウントは、プロフィール写真をちょっと「作り込みすぎない自然な笑顔」に変えただけで、DMの数が変わった。見た目のレベルは同じ。でも「話しかけやすさ」が変わった。
リアルの恋愛も、同じ構造だ。
「可愛い」は出発点に過ぎない
見た目の良さは「気にしてもらえる確率」を上げるだけで、「好きになってもらえる確率」とは別の話だ。
一番モテる人って、美人でも可愛い子でもなくて、「一緒にいると楽しい人」「この人のそばにいると安心する人」だったりする。
そしてその「楽しさ」や「安心感」は、受け身でいても伝わらない。自分から話しかけて、笑って、弱いところを少し見せて、初めて伝わる。
Aちゃんは今、3年付き合っているパートナーがいる。
「私が変わったのって、結局、好かれようとするのをやめた時からかも」と、この前さらっと言っていた。
…その言葉、なんか、ずっと頭に残ってる。
好かれようとするのをやめた、か。
完璧に整えた花より、ちょっとくたびれた向日葵の方が、なぜか目が離せないそういうことなのかもしれないね。

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